2021.12.1

運動

運動が便秘改善に効果的な理由| 自宅で気軽に出来る簡単な運動方法

宮崎 光史

医師・医学博士/ヘルスコーチ

「便秘を改善したいとは思っているけれど、結局何をすれば改善されるのか分からない。」という悩みがある方は少なくないのではないでしょうか?

改善したいと思い調べてみたはいいけれど、情報があり過ぎて、結局何をすれば良いか結論が分からなくて何だか面倒くさくなってきた。改善したいとは思っていても毎日に追われて後回しになってしまっている。こんな状況になっていませんか?

この記事では、便秘を改善するための一つの方法として、自宅で取り組める運動方法を紹介していきたいと思います。運動をしたいけれど、なかなか時間がとれない多忙な人は、わざわざ外に行かずとも、自宅で行える簡単な運動をぜひこの機会に試してみてください。

便秘になってしまう意外な3つの原因

いきなりですが、便秘の原因をあなたは考えたことがありますか?

「毎日の食べ物?食習慣?」などと何となく予想は出来ても、きちんと理解している人は少ないと思います。

便秘を改善していくためには、その場しのぎの対策ではなく、原因そのものにアプローチできる改善方法が後々の健康のために重要となってきます。

この記事では、便秘の原因を紐解いていくことにより、便秘そのものの原因を正しく理解していき、正しい知識をもって便秘対策が出来るようになることを目標としています。

食生活が偏っている

便秘の原因として多くの人がまず考えるのは、毎日の食事の問題です。

便秘を引き起こす根本の原因の一つに、「便の内容物の問題」があり、この問題は、毎日の食事から生まれてくるのです。

不溶性食物繊維が不足している食事をしている人は、便量が足りず、スムーズに便が排出されませんし、水分や脂質が不足していることが便秘の問題となっている場合もあります。

ぜひあなたも、今日から毎日の食事を見直し、腸に優しいバランスの良い食生活を心がけて欲しいと思います。

運動不足が原因

便秘を引き起こす根本の原因のもう一つに、「腸管の動きの問題」が挙げられます。

当然ながら、腸の動きに不調があると、排出したい便はスムーズに流れていかず溜まっていくばかりで、便秘になるのは容易に想像出来ますよね。

この腸の動きの不調は、意外にも運動不足が関係している可能性があります。

ストレスが溜まっている

便秘の原因には、食べ物や運動不足だけがあると考えがちかもしれませんが、実は、「ストレス」も便秘にとっては大敵となります。

あなたは、「腸脳相関」という言葉を知っていますか?この言葉の意味は、文字通り、腸と脳はお互い密接に関わりあっているという意味です。

具体的に、想像しやすい例で考えてみましょう。

例えば、大事な試験やプレゼンの前日の夜に、翌日のことを考えると不安でお腹の調子が悪くなってきたという経験はありませんか?これは、まさに「腸脳相関」そのもので、頭で感じたストレスが、ダイレクトに腸の調子に伝達してきているのです。

つまり、腸と脳は密接に関係しあっており、一方の不調は一方にも影響するので、ストレスが溜まっている人はその分、腸の調子も悪くなりやすいということになります。

便秘改善に運動が効果的な理由

では次に、便秘改善に運動が効果的な理由を詳しくみていきたいと思います。

繰り返しにはなりますが、便秘を根本的に改善するためには、食事内容の改善だけではなく、もっと根本的な、腸の機能を改善するためのアクションが必要になってきます。

つまり、食物繊維を摂ったり、少し食事改善をしただけで便秘が改善する人は、本当の便秘とは言えません。便秘の改善のためには、「運動」が大切になってくることを忘れないでください。

運動により腸のぜん動運動が促される

運動が腸の不調や便秘に効果的な理由として、運動により腸に物理的刺激がいくという点が挙げられます。

当たり前ですが、運動をすることにより、体は刺激を受けますが、それは腸にとっても例外ではありません。

筋トレなどの運動をした際は、その刺激は腸にもいき、その物理的刺激により、少しずつ腸機能は改善されていくのです。筋トレを定期的に行っていくことで、少しずつ体の中の筋肉がつき、さらには腸の中の筋力も鍛えられ、腸の動きが活発になり、便秘も改善されていくのです。

便秘に関係している甲状腺機能が改善される

さらに、運動が腸の不調や便秘に効果的なもう一つの理由として、腸の機能を司る甲状腺機能は運動によって刺激されるという点もあります。

甲状腺機能というと、名前は聞いたことはあっても、具体的にどのような役割を果たしている器官なのかイメージ出来ない人も少なくないと思いますが、甲状腺というのは、体の中の代謝の調整を果たし、体全体に影響を及ぼす大変重要な器官です。

それは腸にとっても例外ではなく、腸の運動も甲状腺ホルモンの働きによって動きがコントロールされているのです。

つまり、甲状腺と腸は密接に関わりあっており、甲状腺機能が低下している状態では、腸の機能も正常に働かないのです。

そんな腸にとって重要な役割を果たす甲状腺を活発にさせるために効くのが「運動」なのです。運動をすることは、甲状腺機能を刺激し、腸の機能を活発にさせ、便秘を改善するという、体の良い流れを作っていってくれます。

自宅や職場で気軽に出来る運動

では、毎日の中で活用できる、自宅や職場で気軽に出来る運動を紹介していきたいと思います。ふとした隙間時間に行える初心者でも取り組みやすい運動を紹介していますので、ぜひ今日から実践してみてくださいね。

職場でも自宅でも、思い立った時にながら運動!

まずおすすめしたいのが、自宅や職場でちょこっと出来た隙間時間で取り組める「ながら運動」です。

例えば、お手洗いに行くために立ったついでに、スクワットをする。デスクワークの方は、座りっぱなしだと感じたら、片足立ちになりながら椅子から立ち上がるプチ運動をするなど、毎日の隠れた意外なところに、ながら運動に取り組めるタイミングはたくさんあります。

当たり前のことで意識をしていない人も多いかもしれませんが、普通に家事をするだけでも結構な運動量になりますし、外出する際には出来る限り歩いて階段を使う、天気がよければ、バスや電車をひとつ前で降りて歩くなども運動量確保に繋がります。

さらに、気が付いた時に片足立ちをしてみる、洋服を着たり靴を履く時に片足立ちするなどの積み重ねも非常に大事になってきます。

ぜひあなたも、ながら運動が出来るタイミングを意識的に見つけるようにしてみてください。

運動をする際のポイントと注意点

では次に、毎日の運動習慣を身に付けるためのコツや意識すべきポイントをご紹介していきたいと思います。

毎日数分でも運動をする

運動を行っていくにあたり、重要となってくるのは、いかに継続して毎日運動を行っていけるかです。ある日、いくら数時間頑張って運動をしたところで、その後ぱたりと運動をしなくなっては、運動効果は残念ながら期待出来ません。

大切になってくるのは、いかに毎日少しずつでも運動を継続して行っていけるか、という点になってきます。そのためには、毎日数分と言わず、最初は数十秒でも十分です。

まずは運動をすること自体に体を慣らしていくことが重要となってきます。

運動習慣を身に付けよう

毎日、運動を行うために重要となってくるのは、「運動習慣」をいかに身に付けるかということです。

最終的には、朝起きてから無意識に顔を洗うのと同じように、無意識であっても勝手に体が運動をするためにウェアに着替えている状態まで持っていくことが出来るとそれがベストです。

そんな運動習慣を身に付けるためにポイントとなってくるのは「繰り返す」ことです。運動習慣を身に付けるためのコツは、いかに繰り返し毎日運動を行えるかにかかってきています。

運動のベストタイミングは朝食前

最後に、運動のベストタイミングをお伝えしておきたいと思います。ずばり、運動をするベストタイミングは、「食事前」です。

なぜかというと、食事をした後は体内の血糖値が上昇し、それを抑えるために、インスリンというホルモンが分泌されます。

問題なのはこのインスリンで、インスリンが分泌されている状態では、せっかく運動していても、脂肪が効率的に燃えないため、インスリンが分泌されていない食事前に運動をすることをおすすめしているのです。

また、食事前でも特に、一晩寝てエネルギーが蓄えられた朝食前の運動がおすすめです。朝起きて、起きたての副交感神経が優位になっている状態から30分程たち、体が目覚めてきたころに、疲れが残らない無理のない範囲でぜひ運動をしてみてください。

運動以外の便秘改善方法

では、運動以外に便秘を改善するために出来る日常のアクションを最後にご紹介していきたいと思います。自分は便秘改善アクションを毎日の生活の中でいくつ行えているか、チェックしながら読んでみてくださいね。

腸を整える食事をする

あなたは、腸にきちんと働いてもらうため、腸をいたわる優しい食事をしていますか?

腸をいたわる食事とは、具体的には、腸の炎症をとり、整えてくれる食事のことです。腸のために、いくら運動をしていても、その分、腸に炎症を引き起こす食事を摂っていたらあまり意味がなくなってしまいます。

腸の炎症を改善する優しい食事の一歩として、まずは、腸に炎症を与えるNG食品を控えて欲しいと思います。

例えば、「過剰な糖質」、「使いまわされた悪い油」、「人工甘味料、遺伝子組み換え食品などの食品毒」などを意識的に控えていって欲しいと思います。

普段何気なく口にしている食品が、意外にも腸に負担を与えているかもしれません。ぜひ、自分の普段の食生活を振り返りながらチェックしてみてください。

質の良い睡眠をとる

便秘改善において、食事と運動のほかに重要となってくるのは、「睡眠」時にきちんと腸に機能してもらうことです。

あなたの腸は、働くべき時にきちんと働いていますか?あなたの目を盗んでサボったりはしていないでしょうか?

腸は、人がリラックスしている時、すなわち、副交感神経が優位になっている時に活発に動くため、私たちが寝ている時の副交感神経が優位になっている時に実は大活躍してくれているのです。

寝る前の深呼吸が睡眠の質を変える?

そのため、いかにリラックスして副交感神経を優位にさせた状態で睡眠を出来ているかが重要になってくるのです。

そのために、ベッドに入る前には、立ったまま、きちんとした姿勢で深呼吸をして副交感神経を優位にさせ、体をリラックス状態にしてあげて欲しいのです。

就寝前に、交感神経が優位になるような、スマホのチェックなどをしている方は、ぜひ代わりに深呼吸をしてリラックスすることを心掛け、質の良い睡眠を実感してみてください。

ストレスをケアする

最後に一つお伝えしたいのは、「ストレス」についてです。冒頭で紹介した「腸脳相関」という言葉の通り、腸と脳は密接に関わりあっているため、ストレスは腸の活動を阻害させます。

ストレスは、腸の炎症を引き起こすトリガーにもなるため、普段からストレスをためがちな人は、日々意識してストレス発散をしていって欲しいと思います。

例えば、運動をしてストレス発散をしたり、自然の緑をみて心を癒すなど、あなたならではのストレス発散方法を見つけて、毎日を健康に有意義に過ごして欲しいと思います。

まとめ

便秘を改善するためには、毎日のふとした行動を改めて、腸の機能を正常に働かせていくことが大切になってくるということはお分かりいただけたでしょうか?

あなたも是非この機会に、毎日数十秒からでも、運動を楽しみながら便秘を改善していって欲しいと思います。

この記事の監修者

宮崎 光史 医師・医学博士/ヘルスコーチ

東京医科歯科大学卒、同大学院卒。医師(元消化器外科医、元日本 DMAT医師)・医学博士、ヘルスドクター。クライアントを持つ治 療家支援、法人向け健康指導などを含めた、病院外での健康増進、 病気予防のサポートを行う。