2022.03.16

腸活

3分でわかる「腸内細菌」とは?| 腸内環境改善の5つのアクション

宮崎 光史

医師・医学博士/ヘルスコーチ

便秘などのお腹の不調に悩む方は、改善のために様々な方法を試してきたのではないでしょうか?

色々な症状には、腸内の「菌」が関係していることは知っているけど、その詳しい働きや体調を整えるためにどうすればいいか分からずにいると思います。

お腹の調子に振り回されない生活を送るために必要なのは、「腸内細菌」を整えることです。そこで今回は、不調の根本原因である腸内細菌についてや、具体的なアクションプランを詳しく解説いたします。

腸内細菌って何?

腸内にはたくさんの細菌が生息し、私たちの免疫機能において重要な働きを担っています。

100兆個の腸内細菌はまるでお花畑

私たちの腸内には多種多様な細菌が生息しており、 約1,000種100兆個とも言われています。とくに小腸から大腸にかけて生息しており、これらの様々な細菌がバランスを取りながら腸内環境を良い状態にしているのです。

腸の中は、まるで植物が群生しているお花畑のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。

腸内細菌は免疫の要!

免疫とは、「体内の異物や不要物の排除」と「傷の修復」の2つの働きで体の健康を保つ仕組みのことです。免疫細胞は骨髄の中で生まれて血液やリンパ液を通って全身を巡っていますが、 その免疫細胞の約70%は腸に存在しています。

消化器官は、口から肛門までひとつなぎになっているため、内なる外と言われるぐらい細菌やウイルスなどの外部から入り込んだ物と関わることの多い場所です。中でも、様々なものを吸収する腸は、有害な物質を体に入れないために免疫細胞が豊富に存在しています。

無数にある腸内細菌の種類

腸内細菌は、人間に有用な働きをする細菌、人間に悪い作用を及ぼす細菌、優勢な細菌の働きを支える細菌と分けられます。

それぞれの細菌は、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」と呼ばれており、体に与える影響が異なります。この腸内細菌は、 年齢によってもその割合が変わってきます。

善玉菌、悪玉菌、日和見菌

善玉菌は、消化吸収の補助や免疫刺激など、健康維持や老化防止などへ影響がある菌で代表的な菌には「ビフィズス菌」や「乳酸菌」があります。消化吸収の補助や、感染防御に作用します。

反対に、悪玉菌は体に悪い影響を及ぼすとされ、代表的な菌には「ウェルシュ菌」「ブドウ球菌」「大腸菌」などの有毒株があります。腸内腐敗、発がん物質の産生、ガス発生などの影響があります。

また、日和見菌は健康なときはおとなしくしていますが、体が弱ったりすると腸内で悪い働きをする菌で、代表的なものに「バクテロイデス」「大腸菌(無毒株)」「レンサ球菌」があります。

人それぞれの腸内フローラ

腸内フローラのバランスは人によって異なり、「まったく同じ人はいない」と言われています。ライフスタイルの影響が大きく、食事など腸に直接取り入れるものの他、運動・環境・生活リズムなどの要因によって日々変化しています。

腸内細菌が及ぼす体への影響

腸内環境は、お腹の調子だけでなく、全身の状態に関わってくるものです。腸を整えることが、どれだけ重要なことかを正しく認識しましょう。

腸内細菌と肥満

腸内細菌は、食べたものを腸で分解する働きをするのですが、胃腸の動きには個人差があります。食べたものが胃腸をゆっくり通過すると、満腹感を得やすくなって食事量が減り、肥満が抑制されると考えられています。

このゆるやかな動作に関係する「短鎖脂肪酸」をつくる腸内細菌が、肥満でない人と比較して肥満の人は少ないとされています。

腸内細菌と遺伝子

腸内細菌研究者の間では、「腸内細菌は母から子への贈り物」と言われているほどです。赤ちゃんは母親の胎内にいるときは無菌状態にあります。自然分娩で産まれる赤ちゃんは産道を通りますが、膣内はラクトバチルス属の乳酸菌が多いので「陰部」や「排泄物」と触れることで、皮膚の常在菌や腸内細菌を受け取ります。

母体から受け継ぐ腸内細菌は、ビフィズス菌などの善玉菌だけでなく悪玉菌や日和見菌も受け継ぐことになります。つまり、お母さんの腸内細菌のバランスが良ければ、生まれてきた赤ちゃんの腸内細菌のバランスも良くなる可能性が高いのです。

健やかな腸内細菌を赤ちゃんにプレゼントするためにも、妊娠前・妊娠中の生活習慣は非常に大切だと考えられます。

腸内細菌が及ぼす心への影響

緊張したりストレスを感じると、お腹が痛くなったり頭が真っ白になったという経験はありませんか?実は、一連の現象は気のせいなどではなく、科学的に証明されているのです。

腸内細菌と性格

腸内フローラによって性格が変わるというのはマウスによる実験結果ですが、私たち人間でも同じことが起こるのではないかと言われています。

精神を安定させることで知られるセロトニンという神経伝達物質は、人体の中ではその9割が小腸にあります。小腸のセロトニンが脳で使われるということではないのですが、小腸のセロトニンが正常に働いてようやく脳がちゃんと働くのです。

いくら、「自分は幸せだ」と頭で言い聞かせていても、小腸をおろそかにしていては幸福感を得られなくなってしまうでしょう。

無菌の成長初期マウスに、バランスよく腸内細菌を投与すると、攻撃性の低下が見られ穏やかになるという報告もあります。腸内細菌は脳の発達や行動に影響し、攻撃性の低下と抗うつにも関連していることが分かってきました。

ストレスと脳と腸のつながり

腸と脳は迷走神経を介してつながっており、ストレスを感知すると腸内環境が変動することで腸内フローラが代わりに自分の身体に作用する可能性が示唆されています。

また、腸内フローラは私たちのストレス耐性の強さにも関連していると考えられています。リラックスしているときは腸内フローラのバランスが整えられ、腸の働きが良くなります。適切に腸が動き、脳が不安を感じることも抑えられます。

逆にストレスを感じると、交感神経が優位になって消化機能が低下します。腸内フローラのバランスが崩れ悪玉菌が優勢になり、便秘や下痢を引き起こしやすくなります。腸の働きが鈍くなると、その情報を脳がキャッチするのでさらにストレスを感じるのです。

 

腸を整えるための具体的な5つのアクション

では、腸を整えるため具体的にすべきこと5つを、ご紹介していきます。

NG食品を極力避ける

腸内環境を整えたい方は、まず消化に優しい食べ物を選ぶことが大切です。具体的には脂質や不溶性食物繊維が少ない食べ物を選び、腸の負担を少なくしてあげます。

スパイスや唐辛子などの香辛料、アルコール、コーヒー、炭酸飲料、塩気の強い食品などは腸を刺激してしまいます。また、蓮根やゴボウなど繊維質の野菜、バラ肉などの脂質の多い肉、タコやイカなどの魚介類、揚げ物や炒め物などの脂っこい料理は消化の負担になります。

さらに、冷たいものの摂り過ぎも腸にとっては刺激なので、なるべく温かいものを食べるようにしましょう。

食品毒に気を付ける

腸は人体で唯一栄養を吸収できる器官なので、添加物などの食品毒は腸に悪影響を及ぼす可能性が考えられます。

例えば、保存料の代表である「ソルビン酸」は、コンビニやスーパーで買えるおにぎりやお惣菜、サンドイッチなどに使われています。ソルビン酸は、細菌の繁殖を抑えて腐りにくくしてくれる一方、過剰に摂取し続けると腸内細菌の繁殖も抑えてしまい腸内環境を乱す可能性があります。

現代人は、毎食出来立ての食事を摂ることは難しいかもしれませんが、なるべく添加物などの食品毒は避けましょう。

腸内細菌が整う食材を摂取する

りんご、いちご、アボカド、わかめ、人参、大根などの水溶性食物繊維を含む食材は善玉菌のエサとなるので積極的に摂りましょう。

味噌、醤油、酒といった発酵調味料や、だしの材料の一つである鰹節などの発酵食品も、これらの食材と一緒に合わせて料理に使うと栄養価もアップします。

乳酸菌や納豆菌、ビフィズス菌といった菌が含まれる発酵食品は、腸にとって有効な微生物を含むプロバイオティクス食品と呼ばれます。また、ナチュラルチーズやヨーグルトなどの世界的にメジャーな発酵食品も、腸内環境を保つうえで効果的な食品です。

毎日少しでも運動する

運動が腸内細菌を鍛え、腸内細菌が運動能力を向上させる、そのような相互関係があることがアスリートたちの腸内細菌研究などからわかってきました。

適度な運動は血流を促し、酸素が全身に巡り体に刺激が入ります。「気持ち良い」と思える強度の運動は自律神経にも良い影響を与え、腸の活性化につながります。

質の良い睡眠を心がける

一見関係のないように思える睡眠と腸ですが、排便に重要な働きである「ぜん動運動」と大きく関わっています。

睡眠時にストレスを感じていたり、眠りが浅かったりなど、十分な睡眠時間が取れていないと睡眠時であっても交感神経の方が優位になって、腸の動きが鈍ってしまいます。

それによりぜん動運動も低下するので、便がうまく押し出されず便秘が引き起こされてしまいます。

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腸内細菌を整えた方がいい人の4つの特徴

これから説明する4つの特徴にひとつでも当てはまる方は、腸内環境を整えた方がいいと言えます。改善ポイントも説明しているので、ぜひチェックしてください。

便秘、下痢気味の人

腸内に悪玉菌が増えると、便秘や下痢を起こしやすくなります。腸内の健康を保つには、善玉菌のビフィズス菌を増やす乳糖やオリゴ糖、自分に合った食物繊維を摂ることが必要です。

何となく体がだるい人

慢性疲労症候群にならないためにも、腸内環境をケアして日常の疲労を軽減させることが重要です。生きた乳酸菌(プロバイオティクス)を摂取することで酸化ストレスが減少し、腸の炎症が治ったという研究も発表されています。

免疫力が落ちていると感じている人

悪玉菌が善玉菌よりも優勢になってしまうと、免疫力の低下をはじめ様々な健康被害が起こります。ヨーグルトなどに含まれるビフィズス菌や、乳酸菌で作られたぬか漬け、納豆菌で作られた納豆など、発酵食品には生きた善玉菌が豊富に含まれているので意識して取り入れましょう。

代謝を高めたい人

腸内フローラの乱れは、エネルギー代謝や免疫機能に影響を与えます。そのメカニズムの鍵として、 腸内細菌が生み出す「短鎖脂肪酸」に注目が集まっています。

脂肪細胞は短鎖脂肪酸のシグナルを感知すると、血液中からの栄養の取り込みを止め、脂肪の蓄積を抑えようとしてくれます。一方、交感神経はシグナルを感知すると、心拍数を増やしたり体温を上げたりします。

つまり、短鎖脂肪酸は脂肪蓄積の抑制とエネルギー消費量の増加を同時に行わせることでエネルギー代謝を高めてくれるので、まず腸内環境を整えることを考えてください。

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まとめ

腸内細菌を整えることで、お腹の調子だけでなく体全体と心のバランスも改善されることがお分かりになったと思います。

「すべての病は腸から来る」と言われることをご存知ですか?ということは、腸内環境を整えることさえできれば、さまざまな不調や病気を予防することができるということです。

肌や髪をケアするように、腸もキレイにすることを考えてあげましょう。そこで、「腸をキレイにしたいけど、やり方がわからない…」という方のために、3月31日まで『腸活・完全マニュアル』をプレゼントいたします!!

こちらから、ぜひお友達になってくださいね。

参考:厚生労働省

この記事の監修者

宮崎 光史 医師・医学博士/ヘルスコーチ

東京医科歯科大学卒、同大学院卒。医師(元消化器外科医、元日本 DMAT医師)・医学博士、ヘルスドクター。クライアントを持つ治 療家支援、法人向け健康指導などを含めた、病院外での健康増進、 病気予防のサポートを行う。