2022.03.10

運動

運動習慣が身につくカンタンな方法とは?|気軽にできる運動もご紹介

宮崎 光史

医師・医学博士/ヘルスコーチ

運動不足解消、ダイエット、健康づくり、さまざまな理由で運動を始めても、そこから継続していくことはカンタンなことではありません。

今まで、運動習慣を身に付けようとしても失敗に終わってきた方は、自分の意志の弱さのせいにしていたかもしれませんが、それは「習慣」を身に付けるコツを知らなかっただけでしょう。

今回は、「運動習慣」を身に付けるためのコツや、日常生活の中で気軽にできる運動についてもご紹介していきたいと思います。

「運動習慣」を身につけよう

今まで、運動を継続することができなかった方のために、運動習慣が身につく方法を解説していきます。

すぐ運動ができる格好で眠る

運動は、一晩眠って体力が1番ある「朝」に行うのが効果的です。そのため、起きてから食事を取る前に運動していただきたいのですが、ここでハードルを下げるために「着替える」という行程をあらかじめ省く方法をおすすめします。

寝て起きた服装のまま、近所をウォーキングしたり庭でストレッチができるようにしておくのです。パジャマから運動着に着替えて、汗ばんだらまた着替える。これだと運動が億劫なだけでなく、その他の面倒に感じる要因によって運動することがストレスになってしまわないでしょうか?

スムーズに運動というタスクに入れるように、このような小さな工夫から取り組んでみてください。

最初は3分、5分から始める

今まで、あまり運動をしてこなかったのに、いきなり30分ジョギングするなど、高い目標設定をしてはいないでしょうか?最初にハードルを上げてしまうと、それが達成できなかったときに落ち込んだり、自分を責めてしまうことになります。このネガティブな思い込みこそが、継続を阻害する最大の要因なのです。

できなかった記憶が脳に蓄積されると、「できないイメージ」が強くインプットされ、その後もできなくなる可能性が高くなってしまうのです。ですので、最初は3分でも、5分でも良いので、それが達成できたら自分を褒めてあげるようにしましょう。

そのポジティブなイメージと運動という行為が結びつき、また次も運動しようという意欲が湧いてくるのです。それが継続につながり、習慣になっていくので始めのうちは達成できる程度の目標を立てて気軽に楽しく取り組んでください。

毎日やろうと思わない

継続とは、何も毎日行うことを指すのではありません。週2回ほど実践し、それを1年以上続けていることも継続に入ります。物事が習慣化されるときは、自然と続けていたと後になって振り返るものです。

最初から「習慣化しよう」とムキになると、プレッシャーを感じてしまい負のイメージがついてしまいます。始めのうちは、思い立ったらやるというくらいのペースでも良いので、やる気を出しすぎたり気負わないようにしましょう。

お気に入りのアイテムを買う

運動をする際に身につけたり、持っていくアイテムがあると思いますが、それらを自分のお気に入りのものに変えてみましょう。例えば、水筒を高機能でおしゃれなデザインのものにしたり、ウェアを素材にこだわったものや好きな芸能人とお揃いにしてみたり。どれだけ運動したか可視化できる「Apple Watch」などを身につけてみても、気分が上がると思います。

やはり、持っているとテンションが上がってウキウキできるアイテムは、モチベーションを上げてくれます。運動も、ファッションや趣味感覚で楽しむことをしてみましょう。

運動習慣を身に付けるメリット

運動をすることにより得られる、健康上のメリットについて見ていきたいと思います。

太りにくい体質になる

運動をすると、太りにくい体質になれます。その理由は、継続的に運動を行い筋肉量が増えることで、基礎代謝量が上がってくるからです。

そのため、運動していないときでも自然とカロリーが消費されやすい体になっていくのです。

冷えなどの体質改善

筋肉は収縮することによって血液を循環させるポンプの役割を果たしているので、筋肉が増えると全身の血流が良くなります。そして、血流が良くなり血行が改善されると、体のコリや冷え性の改善が期待できます。

脂肪は一度冷えると温まりにくい性質を持っているため、男性に比べて筋肉が少なく、脂肪がつきやすい女性は冷え症になりやすいです。筋肉を増やし代謝をアップさせて、基礎体温を上げていきましょう。

睡眠の質が高まる

運動を行うことで睡眠中の体温が上がり、深いノンレム睡眠を誘発させると言われています。また、運動したことにより心拍数が増加し、迷走神経が活性化し睡眠時の心拍数が低下することにより睡眠の質が改善されると推察されています。

「最近、眠っても疲れが取れない」といった方は、週に2、3回でも運動をすることで睡眠の質向上が期待できるでしょう。

便秘改善

便秘になる原因のひとつに、腸管の動きの問題が挙げられます。便秘と聞くと、食べ物の問題だと考えがちかもしれませんが、そもそもの腸管の動きに問題があると、良かれと思って摂取した食べ物によってお腹がはって苦しくなる悪循環も起きかねません。

そして、そんな腸管の動きを改善するための方法の一つに「運動」があるのです。腸の動きをコントロールしているのは甲状腺という器官で、「運動」は、甲状腺機能を改善する手助けをしてくれるのです。

運動は、便秘に悩む方にとっては取り組んだ方が良いことと言えるでしょう。

運動が便秘改善に効果的な理由| 自宅で気軽に出来る簡単な運動方法

身近な運動できるチャンス

なかなか運動する時間が取れないという方のために、日常にある運動できるチャンスをいくつかご紹介いたします。

何かの行動のついでに

運動習慣を身に付けるためにぜひ実践して欲しいのが、「ながら運動」です。トレーニングウェアに着替えて本格的に運動をするわけではなく、何かするついでに行う運動のことです。

ながら運動の良いところは、立ち上がったついでにスクワットをするなど、思い立った好きなタイミングで行えるところです。こんな少しの運動では成果が出ないのではと心配するかもしれませんが、このような小さな積み重ねも、塵も積もれば山となるです。

運動を楽しく行うことによって、運動習慣が自然と身に付いていき、体も少しずつ変化していくことでしょう。

毎日の家事

「やりたくない、面倒だな」と思っていても、毎日行わなければならないのが家事ですが、この合間に運動をするチャンスがあるのではないでしょうか?

いつもの家事に、プラスアルファで動きを追加するなどでも十分です。例えば、洗濯物を干す際にスクワットをする、食事の支度をしているときにかかとを上げてみるなどです。

運動と言っても、着替えたり外に行く必要はなく、ご自宅で簡単に数分スクワットをしたり、ちょっとした筋トレをするだけでも、それが継続して行われれば運動習慣は自然と身に付いていくものです。

通勤、通学、おでかけ

いつもの通学、通勤、おでかけの時間の中にも、運動ができるチャンスは隠れています。例えば、エスカレーターやエレベーターがあっても、運動のために出来る限り階段を使ったり、雨や雪でなければバスや電車をひとつ前で降りて、歩く時間を確保するなどが挙げられます。

バスや電車に乗って座っているときは、足を宙に浮かせれば腹筋に力が入り、立派な筋トレになります。今、体のどこかに負荷がかけられる動きはないかと、思いついたら考えてみるのも楽しいでしょう。

まとめ

運動を始めたいと思っていても、なかなか一歩が踏み出せずに、運動とはほど遠い生活を送っている方も多いでしょう。

運動のハードルが高くなってしまっていると自覚した方は、ご紹介したコツやながら運動を試してみてください。その中から、自分に合う方法を見つけていきましょう。

小さな積み重ねが、運動量を確保することにつながり、体調や気分の違いをもたらしてくれます。運動が、自然と生活の一部になっていくと良いですね。

この記事の監修者

宮崎 光史 医師・医学博士/ヘルスコーチ

東京医科歯科大学卒、同大学院卒。医師(元消化器外科医、元日本 DMAT医師)・医学博士、ヘルスドクター。クライアントを持つ治 療家支援、法人向け健康指導などを含めた、病院外での健康増進、 病気予防のサポートを行う。