2022.03.30

運動

短時間で行うHIITトレーニングとは?|メニューや注意点を解説!

田中 康規

麻酔科医/ヘルスコーチ

短時間でさまざまな効果が期待できるとして話題の「HIITトレーニング」。どんな方法で行うのか、体にどんな変化をもたらすのかまでは、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか?

今まで、「運動をしよう!」と思い立ったはいいものの、時間や場所がない・すぐに飽きてしまうなどの理由で続かなかった方にはピッタリのトレーニングです。

理想の体を手に入れるための具体的なメニューや、初心者が見落としがちな注意点を解説いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。

HIITトレーニングとは?

HIITとは、「High-Intensity Interval Training(ハイテンション・インターバル・トレーニング)の略。

「インターバルトレーニング」が何かと言うと、運動と休憩を交互に繰り返す運動を指します。インターバルトレーニングには、低強度から高強度まで様々あります。

限界まで体を追い込むことで常に脂肪が燃焼しやすい状態をキープでき、体脂肪減少と筋肉増量効果を得るトレーニングです。HIITは「かなりキツい」というイメージを持たれていますが、短時間でダイエットや体を鍛えることができるため注目されています。 

HIITトレーニングを行うメリット

 

HIITトレーニングを行うことによって得られる、おもなメリットを解説していきます。

短期間で効果が出る

HIITトレーニングの最大のメリットは、短時間で効果が期待できること。長期的なスパンでコツコツ取り組むよりも「すぐに効果を実感したい」「早く結果を出したい」という方に最適と言えるでしょう。

全力を出し切るトレーニングを繰り返すHIITに取り組むと、筋肉中の糖の消費率が非常に高くなり、体は脂肪を燃やしやすい状態になります。

さらに、呼吸器に負荷がかかることによって心肺機能と基礎代謝の向上が期待できます。カロリー消費や内臓脂肪の燃焼もしやすくなるでしょう。

時間がない人でも出来る

現代人は常に時間に追われる生活のため、そもそも「運動する時間が取れない」というのが運動不足に陥る原因の一つでしょう。平日、朝から晩まで目一杯仕事や家事をしている方は、体がクタクタで運動をする時間も体力も残っていない場合が多いと思います。

そのため、「休日はゆっくり過ごしたい」「ストイックに運動なんてできない」という方がほとんどだと思います。

運動に時間を割けない方でも、少しの時間で効果が出せるトレーニングがHIITです。HIITは、10分以内の短いトレーニングが多く、目指す成果にいち早く近づけるため注目されています。

自宅で行える

トレーニングと言うと、ジムで体を鍛える方法を思い浮かべる方が多いと思います。ジムは通う時間もお金も必要なため、なかなか一歩踏み出せないという方も少なくありません。

しかしHIITなら、自宅でも簡単に行うことができてわずかなスペースでも運動できます。ジムに通うお金や時間が節約できて思い立ったらすぐできるのがHIITの魅力です。 

HIITトレーニングの効果3選

HIITトレーニングを行うことによって得られる効果には、さまざまなものがあります。アスリートの方も、ダイエットをしたい女性の方も、自身の体の変化を実感できるでしょう。

基礎代謝向上

20秒間で全力を出す筋トレを繰り返すHIITに取り組むと、筋肉中の酵素の消費率が非常に高くなります。その結果、体の脂肪はどんどん燃えていきます。

さらに、HIITによって心肺機能が向上すれば、基礎代謝の向上も期待できます。カロリー消費や内臓脂肪の燃焼もしやすくなるでしょう。

太りにくくなる

ハードな運動によって体が酸素不足になったときに、それを補おうとしてより多くの酸素を消費します。その影響で、運動後の数時間は代謝が高い状態が続いてくれます。これが「アフターバーン効果」と呼ばれるものです。

この状態は、24〜72時間ほど続くと言われています。HIITによるアフターバーン効果を得ることで、太りにくくて痩せやすい体になっていくでしょう。

持久力アップ

短時間でハードなトレーニングを繰り返すHIITは、運動中に体が多くの酸素を必要とします。そのため、肺が酸素を効率的に体に取り入れようとし、肺機能の向上につながるのです。

また、血液中の酸素を全身に届けるために、心臓の働きも活発になります。このように、心肺機能の向上によって持久力アップも期待できるのです。

HIITの基本的なやり方

HIITは、4種類のトレーニングを1種目につき20秒間取り組んで繰り返していきます。ですので、まずは自分にとって負荷が高く、かつ取り組めそうなトレーニングから4種目選ぶ必要があります。1種目終了するごとに10秒間休憩し、1周したら同じようにもう1周し、計2周取り組みます。なので、トレーニングの合計時間は約4分程度になるでしょう。 

トレーニング中は、高い負荷を与え続けるために手を抜かずに全力で取り組むことが大切です。10秒間のインターバルでは、完全に動きを止めて休むのではなく、軽くストレッチをしたりステップを踏んだりしながら、呼吸を整えてください。

HIITトレーニングのメニュー4選

初心者からアスリートまで、おすすめのHIITトレーニングメニューを紹介いたします。トレーニングでは「呼吸」と「作用する筋肉を意識すること」が大切ですので、具体的な手順やポイントをそれぞれ解説していきます。

バービージャンプ

バービージャンプは、ジャンプと腕立て伏せを組み合わせたような動作が特徴的なトレーニングです。 全身を使うため、高い脂肪燃焼効果と心肺機能の向上が期待できます。

  1. 足を閉じた状態で立ちます。
  2. その場にしゃがみ、床に両手をつけましょう。
  3. 両手をつけたまま軽く飛び上がり、その勢いで両足を白に伸ばしてつま先を床につけ、腕立て伏せのような状態になります。
  4. 勢いをつけて両足を元の位置に戻します。
  5. 膝を伸ばしその場で高くジャンプしましょう。その際両腕をまっすぐ上に伸ばします。
  6. 2〜5を20秒間繰り返します。

スクワットジャンプ

スクワットジャンプは、上体を前傾してお尻を引きながらしゃがむことで、お尻と太もも全体を鍛えられるトレーニングです。ジャンプをするので、ヨガマットなど柔らかい床の上でやると膝への負担を軽くすることができます。  

  1. 足を肩幅に開き、背筋を伸ばして腰が丸まらないようにしゃがみきる手前まで深くしゃがむ。
  2. 地面を蹴り上げ、膝が伸びきるまでジャンプして着地する。
  3. 動作を繰り返す。 

腿上げダッシュ

腿上げダッシュは、短時間で太ももの筋肉に大きな負荷をかけることができるためHIITに適したトレーニングです。 

太ももを上げる高さが胸に近づくほど強度が高まります。より限界まで追い込むためには、太ももを高く上げることを意識しましょう。

  1. 背筋を伸ばした状態で立って構える。
  2. 両腕を前後に振りながら、左右交互に膝を上げる。
  3. 2を20秒間繰り返す。

クランチ

クランチは、スポーツ選手もよく取り入れている腹筋(腹直筋)を鍛えられるトレーニングです。勢いや反動を使わないようにして、おへそを見ながら行なっていきましょう。

上体を丸めるときにゆっくり息を吐く、上体を倒す時に息を吸うことを意識してください。胸のあたりを丸めると上部の腹筋、腰のあたりを丸めると下部の腹筋に効きます。クランチでは、腹直筋の上部にメインで効きますが、下部にも多少の効果があります。

腹筋は胸のあたりを丸めると上部の腹筋、腰のあたりを丸めると下部の腹筋に効きます。クランチではメインは腹直筋の上部ですが、下部にも多少効きます。

  1. 仰向けの状態で、ふくらはぎが床と平行になるように膝を曲げ、足を浮かせる。
  2. 両手は頭の後ろかお腹の前に置き、頭と肩を床から浮かせた姿勢をつくる。
  3. 息を吐きながら、おへそを覗き見るように上体を起こす。
  4. 限界まで上体を起こしたら、息を吸いながら頭と肩が床につかないところまで後ろに倒す。 

HIITで効果を出すための注意点

HIITトレーニングを行っても効果が表れにくい方が、よく見落としている重要なポイントを解説いたします。初心者の方は、HIITにチャレンジする前に必ずチェックしてください。

ウォーミングアップを行う

HIITトレーニングの最大のポイントは、自分を限界まで追い込む必要があるということです。ダッシュや腕立て伏せのような、強度の高い運動を何セットも重ねなければならず、途中で手を抜くと効果は半減してしまいます。(しかし、HIITは限界まで追い込まなくても効果が期待できるという最新研究も発表されています。)

全力で行うため、全身に大きな負担がかかることは間違いありません。怪我を防ぐためにも、いきなりHIITトレーニングを開始するのではなく、事前のウォーミングアップを行いましょう。

体調が優れないときや負傷している箇所がある場合は、怪我や故障の可能性が高くなるため、トレーニングは避けるようにしてください。

食事管理も行う

HIITトレーニングの効果を最大限にするためにも、正しい食生活を意識しましょう。とくに、次の3点に注意してください。

  1. 栄養バランスのとれた食事を心がける。
  2. トレーニング終了後の食事に気を配る。
  3. トレーニングの2時間後に、良質なアブラを摂取する。

ダイエット効果を得たい人がやってしまいがちなのは、カロリーや脂質の摂取を極端に控えること。HIITは、大量のエネルギーを必要とするトレーニングです。そのため、活動のエネルギー源となる脂質を摂取することが大切です。

体を作るタンパク質や、体の機能を調整するビタミンやミネラルも欠かさないようにすることも重要なので、野菜や肉・魚も積極的に食べてください。損傷を受けた筋肉を修復するために、トレーニングの直後にタンパク質を摂取した方が良いとされています。

また、HIITトレーニングを終了してすぐに食事を摂ることは避けた方が良いです。なぜかと言うと、運動直後は体に「ファットバーニング(脂質燃焼型)」の練習をさせるのに最適なタイミングだからです。

トレーニングによって大量にエネルギーを消費したあとの体は、脂肪を燃焼させてエネルギーを補給しようとします。ここで、外から栄養を取り込むより、体の中にある脂質から補充した方が脂肪燃焼しやすい体に近づくためダイエット効果も高まります。

体内の脂質からエネルギーの補充がされたあとが、アブラを摂る絶好のタイミングです。それが、運動後2時間経った頃なのです。

ここで良質な脂質を補給することで、体に「ファットバーニング」のシステムを覚えさせることができます。これを継続することにより、エネルギーを脂質から作り出せる疲れ知らずの体になれるでしょう。

頻度を守る

HIITトレーニングは、週2〜3回の頻度で行うことを目標にしましょう。トレーニング頻度は低くても、その都度限界まで追い込むことができれば効果は十分に得ることができます。

「超回復」という現象により、筋肉は休んでいる間にも成長してくれます。トレーニングをやりすぎてしまうと、疲労が蓄積し次のトレーニングで全力を出せなくなったり怪我に繋がったりするリスクが高まるので注意してください。

必ず休息日を作って、継続的に取り組んでいくことが大切です。

まとめ

今まで、ランニングやウォーキングなどの時間を要する運動が続かなかった方も、HIITトレーニングなら短時間で隙間時間に行えます。

また、さまざまな種類があるので、自分が取り組みやすいメニューを都度選べることも魅力のひとつです。1回のトレーニングで全力を出すことが結果につながるので、まずは休日だけなど無理のない範囲内でチャレンジしてみましょう。

 

この記事の監修者

田中 康規 麻酔科医/ヘルスコーチ