2022.04.09

食事・栄養

ミトコンドリアはすべての活動の要?|活性化させる栄養素をご紹介!

田中康規

麻酔科医/ヘルスコーチ

「ミトコンドリア」が、体にとって重要な働きを担っていることは何となくわかるけど、詳しい働きについては理解していない方も多いと思います。

ミトコンドリアが健康とどれだけ関係があるのか、活性化させる食べ物や生活習慣などはあるのか気になるところではないでしょうか。

そこで今回は、ミトコンドリアを活性化、もしくは不活性化させるそれぞれの栄養や行動について解説いたします。日常の中に取り入れられそうなものがあったら、ぜひ試していただきたいと思います。

ミトコンドリアの基礎知識

ミトコンドリアについて、基本的なことをご説明いたします。

ミトコンドリアって何?

ミトコンドリアとは細胞の中にある発電所のようなものです。健康の維持や病気の発生に深く関わっています。

私達の体は、約37兆個とも言われる膨大な数の細胞からできているのですが、これらの細胞が活動するための、95%のエネルギーを作り出してくれるのがミトコンドリアです。このミトコンドリアが働いてくれることで、すべての細胞はそれぞれの役割を果たすことができているのです。

生きるためにあらゆる動物が有している、大変重要な細胞小器官です。私達が元気でいられるのは、ミトコンドリアのおかげであると言えるでしょう。

ミトコンドリアはどれくらいあるの?

ミトコンドリアの重さは体重の約10%ほどで、50kgの方でしたら5kgはミトコンドリアということになります。とくに代謝が活発な、心臓、肝臓、腎臓、筋肉、脳には多くのミトコンドリアが存在しています。

その数、およそ数京個(京:数の単位。兆の1万倍。10の16乗。)と言われています。

私達が活動できるのはミトコンドリアのおかげ

ミトコンドリアは、私達が食事をして摂った「栄養」、呼吸をして取り込んだ「酸素」、この2つを使って、生命維持に必要なエネルギーの供給源を作ります。

この供給源をATP(アデノシン三リン酸)と呼びます。ATPはエネルギーと交換できるお金のようなもので「エネルギー通貨」と呼ばれることもあります。必要であるはずのATPは、私達の体内ではわずかにしか存在できないため、常に作り続ける必要があります。

なんと、1日に作られるATPは、その人の体重に相当する量になると言われています。

ミトコンドリアを活性化させるには?

体にとってミトコンドリアが重要なことがわかったところで、活性化させる方法についても理解しておきましょう。

過度のカロリー摂取を控える

ミトコンドリアは食事から摂った栄養をエネルギー(ATP)に変えますが、このATPが体内に過剰になり過ぎると「活性酸素」という物質が発生してしまいます。この活性酸素は、以下のような多くの不調や病気の原因になると言われています。

  • ガン
  • 糖尿病
  • 不妊症
  • 生殖関連疾患
  • アトピー性疾患
  • 循環器系の疾患
  • 脳神経系の疾患

体の不調はミトコンドリアの不調であり、その対策としては食べ過ぎないことが大前提なのです。とくに、質の悪い油、果糖、重金属(水銀や環境毒素)はミトコンドリア機能に障害が出る原因になります。

そして、日中に比べて活動が減り、ATPの消費が少なくなる寝る前は食事やアルコール摂取は控えるようにしましょう。

適度な運動をする

適度な運動を心がけることが重要な理由は、過度の運動は酸素の消費量が多くなりすぎるからです。過度な栄養はATPを多く作りすぎてしまいますが、それは酸素も同様です。

活性酸素を多く発生させることを防ぐためにも、ヘトヘトになるほどの運動は一般の方は控えた方が良いと言えるでしょう。

必要な微量栄養素を摂る

ミトコンドリアがエネルギー(ATP)の産生においてに必要とする栄養素と、それを含む食品は以下になります。

  • マグネシウム:かぼちゃの種、アーモンド
  • セレニウム:かつお、わさび(粉)
  • ビタミンB群:しじみ、あさり、牛レバー

これらに多く含まれますが、どれかに偏るのではなくさまざまな肉、魚介類、乳製品、豆類などをバランス良く食べることを忘れないようにしましょう。

ミトコンドリアの機能障害に関連するもの

ミトコンドリアの働きに障害が出ると言われるものには、以下のようなものがあります。

トランス脂肪酸

活性酸素が抗酸化防御機構を上回ってしまうことを「酸化ストレス」と呼びますが、トランス脂肪酸の摂取がこの障害と関係していると言われています。

工業性植物油などは避け、エクストラバージンオリーブオイルやココナッツオイルなどの質の良い油を選びましょう。

終末糖化産物

終末糖化産物とは、タンパク質に余分な糖がこびりつきタンパク質が糖化した物質(AGEs)のことです。これは、老化を促進させ病気の元凶となる非常に厄介な物質なのです。

甘いお菓子やアイスクリーム、加工されたゼリーなどがお好きな方は、頻度に気をつけて食べるようにしましょう。

たばこの煙

ミトコンドリアの毒として認識されている「シアン化合物」と「一酸化炭素」が、たばこの煙には両方含まれています。

喫煙は「百害あって一利なし」なので、なるべく禁煙してほしいと思います。

まとめ

ミトコンドリアについて、基本的な知識やどれだけ私達の活動に必要なものかおわかりいただけたかと思います。

ミトコンドリアの働きを高めるための取り組みを理解できたら、ご自身の日頃の行いを、ぜひ一度見直してみてはいかがでしょうか。

改善できそうなものがあったら日常の中で活かしてみて、ミトコンドリアを元気にする生活を心がけるようにしましょう。

この記事の監修者

田中康規 麻酔科医/ヘルスコーチ