2022.06.26

食事・栄養

エキストラバージンオリーブオイルとは?|選び方や健康効果を解説!

田中 康規

麻酔科医/ヘルスコーチ

エキストラバージンオリーブオイルが良いとはわかっていても、本物の見分け方や、どんな調理方法に適しているのかなどは知らない方が多いと思います。

また、どんな健康効果があるのか、その取り扱い方なども気になるところでしょう。

そこで今回は、エキストラバージンオリーブオイルの基本的な知識から、選び方のポイント保管方法まで詳しく解説いたします。ヘルスエキスパート協会スタッフも愛用!厳選エキストラバージンオリーブオイルもご紹介いたしますので要チェックです。

エキストラバージンオリーブオイルの基礎知識

エキストラバージンオリーブオイルとは何かを解説いたします。

エキストラバージンオリーブオイルとは?

オリーブオイルには、IOC(Internathinal Olive Council)という国際機関が定めた基準があり、細かくグレード分けされています。バージンオリーブオイルの定義は、「オリーブの果実のみを、単に圧搾もしくは他の物理的な方法により得たオイルで、洗浄・デカンター・遠心分離・ろ過以外の工程を経ることはない。」と定義されています。

そんなバージンオリーブオイルの中でも、さらにグレード分けがされていて、もっとも厳しい品質規格に合格したバージンオイルの呼称が「エキストラバージンオリーブオイル」です。オイルを味わったときの酸度の低さや風味の良さなどを検査されたうえで、欠陥のないものと認められたオリーブオイルのみが名乗ることができます。

エキストラバージンオリーブオイルとその他のオリーブオイルの違い

バージンオリーブオイルは、品質によって「エキストラバージンオリーブオイル」「バージンオリーブオイル」「オーディナリーバージンオリーブオイル」「ランパンテバージンオリーブオイル」の4つのグレードに分けられます。

このうち、「エキストラバージンオリーブオイル」は、もっとも厳しい品質規格に合格したバージンオイルの称号です。

バージンオリーブオイル エキストラバージンオイル 酸度0.80%以下 (酸価1.6以下)
バージンオイル 酸度2.0%以下 (酸価4.0以下)
オーディナリーバージンオイル 酸度3.3%以下 (酸価6.6以下)
ランパンテ

酸度3.3% (酸価6.6以上)

3.3%以下でも味・香りに欠点があるもの精製工程用及び工業用で直接食用には不適

リファインオリーブオイル(精製オリーブオイル)

酸度0.3%以下 (酸価0.6以下)

バージンオリーブオイル(特にランパンテ)をその脂肪酸組成を変えない範囲で精製したもの

ピュアオリーブオイル 酸度1.00%以下 (酸価2.0以下)

 

エキストラバージンオリーブオイルの効果

エキストラバージンオリーブオイルは、健康効果という面から見ても大変優れています。

老化を遅らせる!抗酸化作用

オリーオイルに含まれるオレイン酸やポリフェノールには、抗酸化作用がありガンや生活習慣病の原因となる活性酸素を抑制してくれます。保湿成分も高いため皮膚を柔軟にしてくれてシワを予防し、美肌効果も高いです。

とくに、エキストラバージンオリーブオイルがこれらの効果が高いと言われています。バージンオリーブオイル以下の油では、ポリフェノールの含有量が減り、特有の辛みや苦味がほとんど感じられなくなります。

お腹スッキリ!腸内環境の改善

古くから、オリーブオイルは各国で便秘解消に効果的な食品として愛されています。

エキストラバージンオリーブオイルに豊富に含まれるオレイン酸は、小腸で吸収されにくい性質を持っており、しっかり油が届いて腸内の潤滑油となり、さらに便が柔らかくなるので溜まった便がスムーズに排出しやすくなるのです。

薬を飲むより、まずはスプーン1杯のエキストラバージンオリーブオイルを飲む習慣をはじめてみると良いかもしれません。

心筋梗塞や脳卒中などの予防

食生活の乱れやストレスによる悪玉コレステロールの増加や加齢によって、血管がもろくなったり詰まったりしてしまいます。そのせいで、酸素や栄養素を体の隅々まで届ける役割を十分に果たせなくなり、心臓に負担をかけてしまうことになります。

オレイン酸は、血液をサラサラにし悪玉コレステロールを減少させ、血管の老化も遅らせてくれます。それにより、動脈硬化・心筋梗塞、脳卒中などを予防する効果が期待できます。

 

エキストラバージンオリーブオイルの選び方

エキストラバージンオリーブオイルの選び方でお困りの方は、ぜひチェックしてください。

遮光されているビンを使っているか

最初に注目していただきたい点は、「容器が遮光されているかどうか」です。エキストラバージンオリーブオイルの特徴である風味や品質を損なう天敵は「酸化」です。

オリーブオイルの緑色は、「クロロフィル(葉緑素)」という成分によるものです。このクロロフィルは、光が当たることで光合成をして酸素を発生させるため、酸化が促進します。光合成は、直射日光だけではなく蛍光灯などの光でも発生してしまうのです。

そのため、なるべく酸化していない状態で消費者に届けるために、生産者は遮光されたビンや缶を選びます。プラスチックでも遮光されている容器がありますが、酸素を透過しやすい素材も存在するため、ビンの方が安心できると言えます。

裏ラベル・シールが法規に則っているか

裏ラベル・シールをチェックする際に気を付けて見るべきなのは、次の2点です。(ここではイタリア産エキストラバージンオリーブオイルの見方について解説します。)

  1. 原産地
  2. 生産者の社名と住所

オリーブオイルの正面のラベルでは産地がイタリアと表記されていても、裏面の日本語ラベルを見てみると原産国表記がないものもあります。この場合は、イタリアで作られたオリーブオイルではない可能性が高くなります。

本物のイタリア産のオリーブオイルなら、必ず生産者の社名や住所がラベルに入っています。つまり、イタリアっぽいラベルが貼られていても、社名と住所が入っていないものは、イタリアでは売られていないオリーブオイルということです。

ラベルの住所は、イタリア語の場合、通りの名前を表す「Via」で始まるか、()で閉じられたアルファベット二文字の県のマーク周辺になります。

【ラベル表記の順番】

  1. Via(通りの名称)かRegione(地域)
  2. 番地
  3. 町か市の名前
  4. 県マークあるいは県名
  5. イタリア

3.と4.の間に郵便番号表記をしている場合もあります。

価格が安すぎないか

エキストラバージンオリーブオイルは、大きな手間をかけて数々の基準をクリアしてきた非常に品質の高いものです。当然、生産にはコストがかかっており、安価で販売してしまっては生産者の生活が成り立ちません。

例えば、250ml2,000円以下ほどで販売されているようなエキストラバージンオリーブオイルは、もしかしたら安価にできる理由があるのかもしれません。もちろん、企業努力で手に取りやすい価格に抑えている会社もあると思いますが、ひとつの基準として捉えていただき、これより大幅に安いエキストラバージンオリーブオイルを日常的に使うのは控えた方が無難でしょう。

価格が高いから良いというわけではなく、自分なりの一定の基準を満たしていることが大切です。

 

オリーブオイルを料理ごとに使い分けよう!

エキストラバージンオリーブオイル、ピュアオリーブオイルのどちらも生食、加熱調理に使用できますが、料理ごとに使い分けることをおすすめします。

エキストラバージンオリーブオイルに合う料理

エキストラバージンオリーブオイルはとても風味が良いので、生で料理に使うのがおすすめです。サラダやパスタにかけたり、パンにつけたり、マリネを作る際に使うと香りが生かされて料理が一段と美味しくなります。

基本的に、オリーブオイルは焼く、炒める、揚げ物など、加熱料理にも使うことができます。とくに肉料理には、風味の強いエキストラバージンオリーブオイルの方が相性が良いでしょう。

ピュアオリーブオイルに合う料理

ピュアオリーブオイルは、精製オリーブオイルにヴァージンオリーブオイル(ランパンテを除く)をブレンドしたものです。エキストラバージンオリーブオイルに比べると価格が手頃です。

揚げ物などに使うと、オリーブオイル特有の香りは減少してしまう傾向にあります。ですので、じっくり火にかけるなどの場合は、安価なピュアオリーブオイルを使うという選択も良いでしょう。

ピュアオリーブオイルは、エキストラバージンオリーブオイルに比べて風味が弱くクセもないため、和食に使いたいときにも向いています。オリーブオイルのクセが苦手だという方は、風味の弱いピュアオリーブオイルから取り入れていくことをおすすめします。

自分の好みと作りたい料理に合わせて、オリーブオイルを選べるようになると楽しみも広がります。

 

HEAスタッフも愛用!厳選エキストラバージンオリーブオイル

ヘルスエキスパート協会スタッフも愛用する、おすすめのエキストラバージンオリーブオイルをご紹介いたします。

ヴィッラ・ポンティーナ DOP(Villa Pontina DOP)

イタリア・ラッツィオ州、ヴィッラポンティーナ農園は、100年前から完全無農薬栽培。月の満ち欠けや生物多様性なども考慮したバイオダイナミック農法で作られた究極のオーガニックオイルです。

バイオダイナミック農法とは、月の周期や星の配置、畑の構造と気候、生物多様性なども考慮し、畑を一つの小宇宙として考え、自然界が本来持つ力を最大限に引き出した究極の有機農法と言われています。

その高品質と特殊な栽培方法が認められ、イタリア、スペイン、アメリカ、日本など数々の国際コンテストで金賞や最優秀賞を受賞するなど、今世界が注目する生産者です。

「ヴィッラ・ポンティーナ DOP(Villa Pontina DOP)」:オリーブオイル市場

リセルヴァ

1979年創業、イタリア・シチリア南東部のイプレイ山地、キアラモンテグルフィのオリーブ畑は、親族の手によって代々献身的にオリーブオイルを作り続けています。

オリーブオイルの鮮度を保つために、全ての搾油工程は窒素が充填された状態で、低温(コールドプレス法)で行います。出荷直前にボトリングされ、短時間のうちに最適な温度(18℃前後)の航空便で直輸入されているので、現地イタリアと全く同じ最高の品質・香り・味わいを楽しめます。

「リセルヴァ」:オリーブオイル市場

ヴィラ ブランカ オーガニック

1840年創業のスペイン有数の植物油脂メーカー、アセイテス デル スル社の製品です。アンダルシア地方の広大な自然の中で有機栽培されたオリーブの実から絞った「有機JAS認定」のオーガニックオイルです。

有機栽培とは、化学肥料や農薬を使わずに育てられたという意味です。有機JASマークを貼ることができるのは、登録認定機関が検査した結果、認定された事業者のみです。

また、ヴィラ ブランカ オーガニックは「コールドプレス製法(低温圧搾製法)」で油を抽出しています。低温で圧搾することにより鮮度が保たれているので劣化している心配がなく、味や香りもキープされています。

1本当たり1,200円前後とリーズナブルな価格なので、普段の料理に使うのにピッタリのエクストラバージンオリーブオイルです。

「ヴィラ ブランカ オーガニック」:Amazon

 

エキストラバージンオリーブオイルの疑問を解決!

エキストラバージンオリーブオイルを選ぶとき、調理に使うとき、保管する際などの注意点をご紹介いたします。

偽物のエキストラバージンオリーブオイルが出回っている?

日本のオリーブオイルは、IOCの基準には加盟しておらず日本農林規格(JAS)によって定められています。JAS規格では2種類の分類のみですが、国際規格ではオリーブオイルは細かく9種類に分類し、品質基準を詳細に決めています。

IOCは、酸価・酸度・風味など細かく9種類にオリーブオイルの種類を分類しているのに対し、JASでは「オリーブオイル」と「精製オリーブオイル」の2種類の分類しかなく、「エキストラバージンオリーブオイル」という分類を設けていません。

そのため、日本の市場では他の国よりも多くのIOCの基準を満たしていないエキストラバージンオリーブオイルが出回っています。だからと言って、「偽物のオリーブオイル」という訳ではありません。「基準が違うオリーブオイル」が存在するということです。

日本オリーブ協会は、2010年9月に「一般社団法人日本オリーブ協会」を発足、IOCには日本で唯一となる団体組織として2010年11月に加盟しています。IOCの品質検査をクリアし、国際規格と認められたオリーブオイルには『JOAマーク』を付けて販売しているので、見かけたら安心して購入できると言えるでしょう。

エキストラバージンオリーブオイルは加熱料理に向いてる?

オリーブオイルというと、生で食べた方が風味も損なわれず健康効果も高いのではと考える方も多いと思います。そして、加熱することで体に害のある成分が発生してしまうのではと不安に感じることもあるでしょう。

それについて、『北米オリーブオイル協会』の見解をご紹介いたします。

・エキストラバージンオリーブオイルの発煙点は、176℃〜210℃であり、典型的な調理温度では発煙点を超えることはない 

・他の油は発煙点以上に加熱すると有毒な化合物が生成されるが、オリーブオイルにはポリフェノールと抗酸化物質が含まれているため加熱しても有害な化合物は生成されない 

・不飽和脂肪酸は加熱すると酸化する可能性があるが、オリーブオイルは加熱しても酸化しにくい 

・オリーブオイルを加熱しても健康上のメリットは損なわれないが風味は失う

・複雑なフレーバーを持つ高価なオリーブオイルをお持ちの場合は、仕上げや常温での使用のために温存することをおすすめする 

油を使った加熱調理には、発煙点の疑問が浮かぶと思います。有害物質を発生させないためにも、オリーブオイルを使った加熱調理では、210℃程度の温度を下回る温度で加熱するようにしましょう。

保管する場所はどこがいいの?

エキストラバージンオリーブオイルを保管する場所にも気を付けるようにしましょう。

まず、冷蔵庫に保管しないようにしてください。油が固まり、使いたいときに使えなくなってしまいます。一度固まってしまうと、常温下でも自然には元の油の状態に戻らず、使用するには30℃以上まで温めなくてはいけません。これを何度も繰り返すことで、酸化してしまいます。

また、ガス台の周囲、流しの下にも保管しないようにしてください。繰り返し熱を帯びることで、こちらも酸化が進んでしまいます。ガス台だけでなく、流しの下はお湯を使うこともあり意外と暖かくなりやすい環境です。

理想的な保管場所は、床に近い涼しい所などで、管理温度の目安としては約15〜18℃くらいです。

 

まとめ

エキストラバージンオリーブオイルの基礎知識や、本物の見分け方を理解できたのではないでしょうか?

炒め物や揚げ物にも向いていて、健康効果も高い非常に優れた油です。今回ご紹介した見極め方を参考に、ぜひ自分にピッタリのエキストラバージンオリーブオイルを見つけてください。

参考:農林水産省 – 有機食品の検査認証制度

 

この記事の監修者

田中 康規 麻酔科医/ヘルスコーチ